FIELDNOTE 19.08.03

◼︎千葉県
目覚めると、「ヒメハマ発見」の報。いつもお世話になっている先輩が発見し、いち早く連絡を下さったのだ。しかもモニター越しの画像を見るに、擦れた夏羽ではないか。私が知る限り、国内で撮られた写真の多くは幼鳥や春の成鳥だろう。なんとも新鮮な容姿であり、この絶好の機会を外すわけにはいかない。
しかし残念なことにどうしても潰せない用事があり、現場には急行できない。我慢の一日。真夜中に帰宅し、荷物を置いた足で再び家を飛び出すというハードスケジュールとなった。日の出前の現場に到着したのは翌3日のことである。小一時間仮眠を取る。次第に外が明るくなってきた。まだ誰もいない浜に出て、捜索を開始する。
さっそくトウネンが足元から数十羽飛び出した。不覚にも暗くて気づかなかった。幸い少し離れたところに再び降りた。すぐにスコープでサーチする。しかし見つからない。まさか抜けたのか。天候からして1日で抜ける可能性は大いにある。嫌な汗が出てきたが、今一度深呼吸して再びサーチする。オオメダイの成鳥が目に止まる。申し訳ないが、今は気にする余裕がない。そして次の瞬間に捉えたあのフォルム。今でも忘れない。トウネンを見慣れたアジア人にとってはあまりにアンバランスなプロポーション。暗くて色味はわからないが、異彩を放つ。待ちに待った光景だ。心臓が一気に高鳴り、いち早く震える手でスマートフォンで動画を残した。日本で観れるだなんて本当に嬉しい。しかしこの時の観察時間は1分未満。一眼に持ち替え数枚撮った途端、運が悪いことに散歩人が真横を通過。群れは全部飛び去った。とても満足だとは言い難い。
すっかり明るくなり、気温が上がる。再び捜索を続けると、500m以上先にトウネンとメダイの群れが浜に降りているのを見つけた。しかも先ほどより数が多い。ここに混じっていると確信し、距離を一気に詰める。適度なところまで詰めたところでスコープを覗くと、すぐにヒメハマを捉えた。条件が良く、またしても全身がゾワッとする。しかしまたしても不運。発見したまさにそのタイミングで犬を連れた散歩人がこちらに近づいてきてしまい、あっという間に飛ばされた。写真すら残せず、なんと運のないことか。。。
再々捜索。暑さでボーッとしてくる。トウネンの群れはあまり遠くに移動しなかったようで、すぐに見つかった。しかしヒメハマが直ちに見つかるわけではない。寝ていると案外識別が難しく、また浜の窪みに入られると完全な死角となるため、この群れにいるはずだと信じて粘る必要があったのだ。この山勘についてはツキが回った。30分ほどして群れがぞろぞろと動き出した時、あの長い嘴を再び見ることができたのだ。結果、この場で落ち着くこととなり、1時間以上にわたりじっくり観察し、熱中症で倒れる寸前で現場を後にすることができた。
後日談によれば、この日の午前中が終認だったらしい。日の出前から翻弄された甲斐はあった。第一発見者のS先輩には頭が上がらない。それにしてもまたこの一週間後に同じ事が起ころうとは。そう、今年日本中を賑わせたあの鳥の話。。。


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Western Sandpiper ヒメハマシギ
画像1:発見時。
画像2:再発見時。直後の飛翔。ミユビシギ、トウネン群に混じる。
画像9:再再発見時。寝ている時の識別は意外と難しい。この時は黒々とした三列・肩羽の色味で目星をつけることができた。



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Greater Sand Plover オオメダイチドリ
少なくとも幼鳥3個体・成鳥2個体。
画像1-2:幼鳥
画像3:成鳥

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